牧先生は黄砂に含まれる大気微生物の研究をしています。
この日は週末の共通テストに備えて、近大は構内立ち入り禁止、学生もいませんでした。
外を見ていた牧先生が「黄砂が来てるかも!」ということで、急ぎ近大屋上の大気を採取することにしました。
生駒山に白いもやがかかっているように見え、これが黄砂かもしれないとのことです。
先生曰く「空気の匂いが少し違う」そうなのですが、マスクを外して吸い込んでもまるでわかりませんでした…
電源を引っ張ってきて、約24時間吸引し続け、翌日フィルターを回収します。
黄砂ってなに?
黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象です。
風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、発生源地域周辺の農業生産や生活環境にしばしば重大な被害を与えるばかりでなく、大気中に浮遊し、黄砂粒子を核とした雲の発生・降水過程を通して地球全体の気候に影響を及ぼしています。
また、海洋へも降下して、海洋表層のプランクトンへのミネラル分の供給を通して海洋の生態系にも大きな影響を与えていると考えられていますが、その量についてはまだ明確にはなっていません。
黄砂現象は従来、自然現象であると理解されてきましたが、近年ではその頻度と被害が甚大化しており、急速に広がりつつある過放牧や農地転換による土地の劣化等との関連性も指摘されています。
そのため、黄砂は単なる自然現象から、森林減少、土地の劣化、砂漠化といった人為的影響による側面も持った環境問題として認識が高まっています。
引用:黄砂ってなに?-環境省
黄砂についての牧先生の論文はこちら↓↓
https://www.saltscience.or.jp/general_research/2008/200823.pdf