
近畿大学東大阪キャンパスにある環境微生物学研究室のブログです。
詳しい研究室紹介はこちら↓↓(ブログ内)
HPはこちら↓↓
https://www.life.kindai.ac.jp/laboratory/maki/

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早朝に憂鬱な雨が上がった。
厚い雲が覆っているが,その上には黄砂が来ているはずである。
ライダーデータを見ると、黄砂の飛来を告げる偏光解消度が上昇しつつある。
午前中に高度2000m以上まであがれば黄砂を採取できる。
そこには,黄砂と一緒に飛んで来た微生物‐バイオエアロゾル‐も漂っているだろう。
ヘリコプターで黄砂を採取するために洞爺湖のヘリポートに急いだ。
微生物ハンティングの始まりだ。
しかし,問題がある。
今回は,いつも使っているロビンソンのR44は使えない。

R44は,岡山県から北海道までの輸送に時間がかかり,今回の黄砂採取には間に合わなかった。
その代わり,新しい機体 Bell505が今回,我々を空に誘ってくれる。

我々と言うのは,私の他に,酪農学園大学の能田先生が助っ人に加わってくれ,全2名である。
新しい機体を使用するということで,能田先生がサポートに加わってくれたのだ。
洞爺湖のヘリポートでBell505に対峙した。

R44に比べると一回り大きい。
R44がガンダムに出てくるザクなら,Bell505は,グフを越えてゲルググくらいの違いがある。

これにR44用に作成したサンプラーを取り付けられるのだろうか?
黄砂は待ってくれない。
Bell505に搭乗し,能田先生とともに黄砂漂う上空に舞い上がった。

私はサンプラー操作するため後方の席に着き,能田先生はサンプラーを窓に設置するため前方の席に座った。
我々もバイオエアロゾルになるのだ。
高度8000フィートを維持しながら,洞爺湖から積丹半島を目指した。

やはり雲は晴れず,眼下には厚い雲海が広がっている,
フライパンに広がった目玉焼きの白身くらい分厚い。
すると差し詰め,遠くに見える太陽は黄身だろうか。
その時,能田先生が,
「黒い層は黄砂じゃないですか?」
とヘッドフォン越しにつぶやいた。

黄身のごとき太陽が照らす空の下層部分に黒い層が一様に広がっていたのだ。
間違いなく,汚染大気を巻き込んでいるであろう黄砂である。
彼ははじめてのフライトであったが,持ち前の研究者らしい勘の良さから,目的の黄砂に気付いたのである。
流石の能田先生!
高度を確認すると,高度8000フィートよりも少し高めである。
恐らく,その高度から黄砂は沈着し続けるであろう。
黄砂をロックオンした。
私と能田先生は,サンプラーを取り出し,Bell505の小窓に挿入した。
しかし,R44より大きいBell505の小窓は大きく,サンプラーを手で持って固定しなければならない。
私の後ろの席からは,自身の手でサンプラーを固定できない。
そこで,能田先生は自らサンプラーの固定を引き受けてくれた。
私は気軽に能田先生に依頼したが,40分以上外気に晒されサンプラーを自身の手で固定するのは難しい。
サンプリングは40分以上に及んだが,能田先生はサンプラーを維持し続けてくれた。
サンプリングが修了した後,黄砂の粒子を捕集したサンプラーを回収した。
その時,能田先生の手が,ツォクトーボーの生まれたての羊の様にプルプルと震えているのに気付いた。
「能田先生,あんたって奴は。。。」
能田先生は,東映映画「わが青春のアルカディア」でハーロックのメッサーシュミット109Gの昇降舵線を体に巻き付け守ったトチローのように,私のサンプラーを守ってくれたのだ。(※下記解説)
サンプリングを修了すると,残り時間数分を残し,洞爺湖ヘとリコプターは急降下し,無事に観測を終えることができた。
その後,Bell505は団体客を乗せて,再び洞爺湖遊覧に飛び立った。

能田先生と私は,ライン川が分かち合ったハーロックとトチローのように,それぞれ大阪と札幌へと帰路についた。
(完)

※「トチロー」は松本零士作品『わが青春のアルカディア』に登場する人物。主人公ハーロックの無二の親友であり、優れた技術者として描かれている。作中のライン川上空での戦闘では、損傷したメッサーシュミット109Gの操縦系統を自らの身体で支え続け、ハーロックを危機から救った。この場面は、二人の友情を象徴するエピソードとしてファンの間で知られている。

NHK「あしたが変わるトリセツショー」に牧教授が出演します。
放送日時:5/28(木)19:30~20:15
牧教授の出演時間は短いかもしれませんが、カビ対策や日常生活に役立つ情報がたくさん紹介される予定です。
ぜひご覧ください!

「100年天気予報」というネット番組で「そらなっとう」が取り上げられました!
番組の今回の内容は、
気候変動が進むと将来「砂漠の変化」や「黄砂(大気中の砂)」がどうなるか
大豆や小麦の作物生産にどんな影響が出るか
…といったテーマについて解説しています。
黄砂についてかなり詳しく学べますので、ぜひご覧ください。
「そらなっとう」は残り5分くらいのエンディングトークに登場します。
【番組アーカイブURL】https://youtu.be/5WYOgUeZXrk

近大の情報サイトに牧教授が紹介されています。
「ネオ・近大人 空飛ぶ微生物ハンター」
ミャクミャクがバックのいつもと違う先生の表情に注目です!
ぜひチェックしてみてください。
KINDAI GRAFFITI|近畿大学近大生のリアルがわかるKINDAI GRAFFITI。
1000人の学生への取材を通して、学び・遊び・日常をありのままに発信。多様な個性が混ざり合う近畿大学の「圧倒的肯定感」を、多彩なコンテンツで届けます。やりたいことがある人もない人も、ここに来れば何かが始まる。これが近大の、最高にリアルな姿です。
▼WEBサイト:kindaigraffiti:
https://kindai-graffiti.kindai.ac.jp/

NHKのAMラジオに牧教授が出演します!
2026年4月4日(土)14:05~14:55放送(NHK AM)
漫才コンビ「ミルクボーイ」が知られざる“狭くて深~い世界”を掘り下げるトークバラエティーラジオ番組。聞けば「オカン」に教えたくなる話が満載です!
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「ミルクボーイのそれオカンに言うといて!」第15回 の収録に参加してきました。
当初は,自身の研究内容をミルクボーイのお二人にうまく説明できるだろうかと緊張しつつ,あれこれ考えながらスタジオに出向きました。
しかし,収録がはじまると,お二人から奇想天外でありながらも核心をついた質問がつぎつぎと飛び出てきて,僕も頭フル回転で答えたくなるやり取りがはじまりました。
緊張はどこへやらです。
やがて,優秀な学生さんと研究室で和気藹々ディスカッションしているような雰囲気になり,すっかり収録であることを忘れる瞬間も度々ありました。
あっと言う間に時間が過ぎ,最後には快く写真撮影くださり,充実した知の一時でした。
ミルクボーイのお二人は,勉強熱心で優秀な学生さんやないか~い!
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令和7年度の卒業式が無事に終わりました。
YouTubeでの生中継もあり、去年はスペシャルゲストの部分だけ無配信でしたが、今年はちゃんとサプライズの様子も配信されました。
「SUPER EIGHT」の村上信五(44)が21日、大阪府東大阪市で行われた近畿大学の卒業式にサプライズゲストとして登壇した。
シークレットゲストとしてのアナウンスを受け卒業生、保護者あわせて約1万人から、まるでコンサートのような凄まじい歓声に迎えられた村上は、グレーのスーツに身を包み「アイドルをやらせて頂いております」などと自己紹介し、まずは笑いを取った。
これから社会に出て行く卒業生に「普通でいることの大切さ」を説き「変なプライドはない方がいろんなモノ吸収できます。それが成長につながっていきます」と肩肘張らない生き方を伝授した。
【記事全文】「SUPER EIGHT」村上信五 近大の卒業式でゲストスピーチ「普通ってそんなに悪いことじゃない」 - スポニチ Sponichi Annex 芸能


研究室から遠ざかる背中が頼もしく感じられる一方で、見送る側としては寂しい気持ちのほうが大きかった一日でした。
卒業生8名は東京や長野、新たな大学院生活など、それぞれの道へと進んでいきます。
新しい環境は楽しいことばかりではないかもしれないけれど、笑顔で一歩ずつ前に進んでくれたらと願っています。

大気バイオエアロゾルシンポジウムは、大阪での開催が今年で4回目、近畿大学での開催は3回目となりました。
今年も韓国をはじめ、北海道、仙台、熊本、大分など遠方から多くの先生方にお集まりいただき、活発な議論が交わされた充実の2日間となりました。
牧教授のレポートをお送りします。
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第17回大気バイオエアロゾルシンポジウムには56人が参加し、24件の研究発表がありました。

この2年くらいは、微生物の遺伝子解析に関する研究発表が多かったのですが、今回はエアロゾル観測やシミュレーション研究が増え、従来のバイオエアロゾルシンポへと原点回帰しました。


最初のセッションは、乾燥地の発表が皮切りとなり、初期のシンポジウムを彷彿とさせます。
もともと黄砂によって運ばれる微生物を調べるのが、バイオエアロゾル研究の発端なので、黄砂発生源の乾燥地は、我々バイオエアロゾル研究の発生源かつ原点でもあるのです。
ダストは、韓国、北陸、関東にも降り注ぐので、それぞれ沈着地で千差万別の研究話もこのセッションの目玉となりました。

続いては、黄砂というと数千kmを運ばれるということで、長距離輸送のセッションでした。
しかし、黄砂の話題は全くなく、新世代到来で、極域や成層圏でのエアロゾルの拡散に関する話題が我々の興味を掻き立ててくれました。
極域は不毛の地という先入観がありますが、そこからバイオエアロゾルは上空まで飛散し、雲をつくる原因にもなっているのです。
山火事は、その熱故に上空を漂い、さらには成層圏まで突破しているのは驚きです。

この次は、コロナ禍以降関心が集まるバイオエアロゾルのサンプリング手法のセッションでした。溶けるフィルター、洗濯機のようなサイクロン法など奇抜な採取法の話が続き、スマートフォンでの大気粒子の撮影にまで話題が及びました。
これで初日を終え、「ちゃんこ奄美」に移動し、研究交流会でした。

異分野研究者が入り乱れ、勢いのある企業の方々まで参加し、和気あいあいブレーンストーミングの宴となりました。


翌日、二日酔いなど感じさせず、バイオエアロゾルのゲノム解析のセッションから火ぶたが切られました。
DNA解析は、もはやコンピューター解析(ドライ系)の領域が牛耳りつつあるのですが、本会では、DNAを自前で準備し、かつバイオインフォマティクス解析も自身でこなす二刀流の発表が続きました。
大谷選手もビックリの、ウェットもドライも秀逸な話題提供ばかりでした。

研究発表のファイナルセッションは、健康影響のセッションでした。
疫学的調査や動物実験、野外のフィールド調査など、発表件数は少ないものの、アプローチは多岐にわたり、密度の濃い健康影響に関わる話題が続きました。



真の最後のセッションでは、来年のシンポ開催地が、うどん県香川であると発表があり、より充実したシンポになるよう意見交換が行われました。
香川県のうどんのように長く、コシ強くこのシンポジウムは続くのか。
こればかりは、参加くださる皆さまの学術的興味とご支援に頼るばかりです。
是非、来年は香川に来てくださると嬉しいウドンドン。
本日、2018年4月1日...
— うどん県 (@UdonkenKanko) March 31, 2018
「うどん県」は「ヤドン県」に改名いたします!https://t.co/zsOwBpnX6Y#yadonken pic.twitter.com/Xk8MqHs1Cp
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