環境微生物学研究室 - 近畿大学生命科学科

近畿大学東大阪キャンパスにある牧輝弥教授の環境微生物学研究室です。

第14回大気バイオエアロゾルシンポジウム、無事に開催

先週末、第14回大気バイオエアロゾルシンポジウムを無事に終えることができました。

2020年の第13回シンポジウムが中止になってから、実に3年ぶりの開催でした。

会場は新大阪駅東口から徒歩2分のKITENA新大阪。

KITENA新大阪

入口の案内板

1日目のメインである招待講演は、イギリスManchester UnivのMartin先生でした。

Martin先生の講演

2日目には当研究室のM1宇都くんの発表もあり、両日時間を大幅にオーバーするほどの白熱ぶりでした。

北は北海道、南は熊本から、そして企業の方や高校の理科の先生など幅広い分野の方が来てくださいました。

受付の様子

合計45名の国内外の研究者が集い,大気生物粒子(細菌,真菌,花粉,動植物細胞など)に関わる大気観測,シミュレーション,室内実験などについて19件の発表がなされ,大気物理や微生物学の観点から熱心な議論が繰り広げられました!

最後はバイオエアロゾル研究会代表の岩坂先生のお話で締めくくりました。

この度は,シンポジウムにご参加いただき,厚く御礼申し上げます。
3年ぶりの開催でしたが,多くの方(45名以上)にご参加いただき,
異分野にわたる多様な研究アプローチの研究発表がなされ,
盛況に会を開催することができました。
これも皆さまが,温かい雰囲気で発表をご覧くださり,
前向きに質疑いただいたお陰かと感謝いたしております。

これからもバイオエアロゾル研究の足場となるよう精進して参りますので,
またの機会にもご参加いただけますと幸甚です。(牧輝弥)

2日目の様子ですが、ガリレオXのYouTubeから配信予定です!

またお知らせしますのでぜひご覧ください。

 

以下、牧教授レポートです。

第14回バイオエアロゾルシンポジウムが新大阪KITENAにおいて2日間開催され,45名の国内外の研究者が集い,バイオエアロゾルに関わる最新の研究内容を披露した。

初日は,大気微生物の風送プロセスを理解するのに欠かせないモニタリングデータの取り扱いを皮切りに,黄砂や煙霧に含まれる微生物濃度の変動や,そこに含まれる微生物の大気ストレスへの耐性について精力的な発表がなされた。

マンチェスター大学の研究者は,蛍光で大気微生物を自動的に測定する装置「バイオエアロゾル・モニタリング・アルゴリズム」の開発にしのぎを削っており,彼らの開発した装置が世界中の観測に応用されている現状が一時間にわたって紹介され,その内容に会場全体がどよめいた。

おしゃれな居酒屋で開催された懇親会では,3年を経て集合したバイオエアロゾル研究者が,久しぶりに杯を交わし,巣ごもりしていた間の隔たりを解消するかのうように,歓談に耽った。

旬魚旬菜きらく

二日目は,バイオエアロゾルの坩堝である森林での観測研究に関する発表から始まり,成層圏観測や全ゲノム解析,未踏の嫌気培養,迅速簡便な健康影響評価方法,日本人が知らない韓国の生活圏の気中微生物情報などの最先端の研究発表で幕を閉じた。

バイオエアロゾル研究には多種多様な異分野の知見と研究アプローチが求められるが,今回のシンポジウムでも多岐にわたる研究者が集いエアロゾルのようにウマく内部混合したと思える。