『利己的な遺伝子』リチャード・ドーキンス 日高敏隆ほか翻訳
牧教授が学生に読んでほしいおすすめの本を紹介する第6弾です。
40年以上前に科学の世界に地殻変動をもたらした衝撃作。
人間も含めた“生き物”対する概念ががらりと変わります。(牧輝弥)
本の内容
私たちはなぜ、生き延びようと必死になり、恋をし、争うのか?
本書で著者は、動物や人間の社会で見られる、親子間の対立や保護行為、夫婦間の争い、攻撃やなわばり行動などがなぜ進化したかを、遺伝子の視点から解き明かす。
自らのコピーを増やすことを最優先にする遺伝子は、いかに生物を操るのか?
生物観を根底から揺るがし、科学の世界に地殻変動をもたらした本書は、1976年の初版刊行以来、分野を超えて多大な影響を及ぼし続けている古典的名著である。
リチャード・ドーキンスってどんな人?
1941年ケニアで生まれたイギリスの進化生物学者・動物行動学者です。
『利己的な遺伝子』をはじめとする一般向けの著作を多く発表。
存命の一般向け科学書の著者としてはかなり知名度の高い一人です。
彼の言葉を少し紹介させてください。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の後:
我々の多くは宗教を無害なナンセンスだと考えている。信仰はあらゆる種類の証拠を欠いているが、松葉杖を必要としている人たちの安らぎとなることができる。どこが危険なのだ?と。9月11日以降、全てが変わってしまった。宗教信仰は無害なナンセンスなどではなく、致命的に有害なナンセンスとなった。宗教は人々の持つ正義感に強固な信念を与えるために危険である。他人を殺害することへの抵抗心をなくし、殺人への誤った勇気を与えるために危険である。異なる伝統を持つ人々に敵というレッテルを張るために危険である。そして宗教は、特別に批判から守られるべきだという人々からの奇妙な賛同を得たために危険である。忌々しい敬意を払うことはもう止めるべきだ!
画像・文引用:リチャード・ドーキンス - Wikipedia